読み書き literacy 2004 1 6
今から、数百年前の江戸時代においては、
一般庶民は、文字を読み書きできない人が多かったと聞きました。
この時代は、義務教育など、ありませんでしたから、
教育を受けられるのは、お金持ちの家の子供だけだったのでしょう。
この江戸時代に、政治家がいたとすれば、大変、困ったでしょう。
なぜなら、どんなに、すばらしい政策を考えても、
一般庶民は、文字を読み書きできないのです。
すばらしい政策を紙に書いて、庶民に配ったところで、
庶民は、文字が読めないのです。
さて、どうするか。
仕方ないので、自分の政策を、芝居にして、
劇場にて、役者に、その芝居を演じてもらうしかないのです。
こうして、自分の政策を、一般庶民に広げていくのです。
次の時代の明治時代においては、
政府は、これではいけないと考えて、
一般庶民が、文字を読み書きできるように、教育に力を入れたのです。
そのお陰か、板垣退助を中心として、
一般庶民に、自由民権運動が広まり、
自分たちで、政府を作っていこうとする機運が高まりました。
さて、現代。
「新聞も読まない、本も読まない」という「活字離れ」が進んでいます。
やはり、江戸時代と同じく、政治家は、大変、困っています。
なぜなら、どんなに、すばらしい政策を考えても、
一般庶民は、「新聞も読まない、本も読まない」という「活字離れ」になっています。
すばらしい政策を紙に書いて、庶民に配ったところで、
庶民は、「活字離れ」で、読んでくれません。
さて、政治家は、どうするでしょうか。
今の時代は、明治政府の苦労も、むなしく、
一般庶民は、江戸時代のレベルに戻っています。
これでは、明治政府の政治家は、嘆いているでしょう。